不動産クラウドファンディングを基本に、投資についてのお話
お金と資産形成について、休憩時間や通勤時間の暇つぶしになってタメになるコラム
不動産小口化投資のトモタク、広報担当のSKです。
これまで、投資家の皆さまに対して不動産特定共同事業のメリットをご紹介してきました。
しかし、そのリスクについては、ほとんど紹介されていません。
今回は、不動産特定共同事業の事業者である私たちから、そのリスクをご紹介させていただきます。
まずは”おさらい”です。
不動産特定共同事業について、そもそも不動産特定共同事業とはなにか、その特徴は、メリットは、といったことをお知りになりたい場合は、以下の記事をご確認下さい。
不動産特定共同事業は『不動産投資に興味があるがそのリスクや様々な課題によって躊躇されている』ような方にとっては、とても興味深い投資です。
不動産投資と比較した場合はそれ自体の特徴やメリットが映えて見えますので、訴求もしやすいのですが、見方を変えた場合はどうでしょうか。
不動産特定共同事業による「不動産小口化投資商品」は”投資商品”です。
投資商品ということは当然、”リスクを伴なう”ということを忘れないで下さい。
”リスクのない投資”なんていうのはこの世に存在しないのです。仮に、ノーリスク、元本保証、固定利率での配当などのキーワードで募集している商品に投資すること自体がリスクです。
この行為自体が銀行と同じことで、法令上『疑似銀行扱い』になり、違法行為です。
『預かり金』についての定義を金融庁のガイドラインでは以下のように定義しています。
不特定かつ多数の者が相手であること、金銭の受け入れであること、元本の返還が約されていること、主として預け主の便宜のために金銭の価額を保管することを目的とするものであること
つまり、投資話でよくあるような「元本保証」「何年後に元本は返済する」「配当は月(年)〇%を払う」のような”オイシイ”話は全て違法行為にあたります。
ですので、全ての投資商品には『元本を失うリスク』がともない、『予定通りの配当金が受け取れない』リスクがともなうということを、敢えてここでは強調しておきます。
もし仮に、『元本保証』や『配当は○%(確実に)』のような触れ込みで出資者を募集しているような商品があれば、それ自体に投資することがリスクだと覚えておいて下さい。
”投資に絶対はない”と言われていますが、これに関しては”絶対”です。
まずは、投資商品の原理原則に沿ってお伝えします。
*なお、リスクに関しては、当社の不動産小口化投資商品のトモタクに出資される場合のリスクです。他社様のサービスに関するリスクについては、ハッキリと分からない部分がありますのでここでの言及は差し控えたいと思います。
これには、2つの側面がありますので、ご理解下さい。
1つ目は、そもそも元本保証は出資法で禁止されているので記載できないという点です。これについては、どんなに素晴らしい商品であっても、募集者はそれを理由に募集を行ってはならないということです。
「この商品は”間違いない”でしょう」という商品が組成できたとしても、それは決して口にしてはならないということです。
2つ目は、商品(不動産)の評価が著しく下がる可能性がある
この点については、現実的に十分考えられる話であることを説明しておかなければなりません。
例えば、路線価が大きく下落し、それによって不動産の評価額が下がるケースにおいては、出資金が償還時に満額戻ってくるとは限りません。その下落率に対して、出資金も減少された状態で償還されるのが通常です。
確かに、不動産は現物資産なので価格の変動が少ないですが、当然、価値は下落しますし、逆に上昇する場合もあります。出資者は価格が下落することを一つのリスクとして理解しておく必要があります。
不動産特定共同事業への出資にはリスクがあります。だからこそ私たちはリスクに対する対策をしっかり取っているのです。
価格が下落することで、出資者の元金を減らしてしまうリスクに対して対策を取っています。具体的には、優先劣後システムの導入です。
優先劣後システムとは、商品組成時に、収益の還元を優先的に受けるものと、劣後するものに分けて設計する商品設計のことを言います。
例えば、1,000万円の投資商品に対して、優先出資800万円、劣後出資200万円で出資者を募集したとしましょう。
この場合、一般投資家から800万円を募り、事業者が200万円を出資することになります。
この場合、一般投資家は収益の還元を優先的に受けることができる優先出資者です。事業者は収益の還元を後から受ける劣後出資者になります。
この優先劣後の仕組みは、出資先の不動産評価が下落した際に威力を発揮します。
仮に1年後に不動産評価が200万円下落したと仮定します。
優先劣後システムを採用せず、劣後出資者がいない場合は、200万円の下落分を出資比率に応じて、それぞれ負担しなければなりません。
一方で優先劣後システムを採用している場合には、その200万円の下落分に関しては劣後出資者が負担します。これにより、優先出資者は運用期間終了後に出資元金の満額を償還することができるのです。
これは非常に大きなメリットです。商品によって劣後出資比率は異なりますが、トモタクでは全ての商品に対して劣後出資を入れているのが特徴です。
配当に関しても同じです。
想定利回り通りの配当を受け取ることができる保証はありません。あくまで、想定でしかありません。
とはいえ、出資者に対して予定分配率をきちんとお配りできるよう、お預かりした出資金をきちんと運用するのが私たちの役目です。配当が受け取れないリスクを回避するために、マスターリース契約によって賃料収入を第三者が保証する仕組みを構築しました。
テナントや入居者から入る賃料は、常に退去のリスクが伴います。入居者と株式会社イーダブルジー(トモタク)が直接賃貸借契約を締結していた場合、退去後の賃料収入はなくなってしまいます。これでは、運用は上手くいきませんし、出資者への配当ができなくなってしまいます。
そのため、入居者と運営側の間に家賃保証会社を挟み、ファンド運用期間の賃料を保証していただくことで運営側は確実に賃料を受け取ることができます。
それにより、ファンド出資者に対して配当をお支払いすることができるようになります。ここでも確実という言葉は使うことができませんが、その確率がかなり高くなることはご理解いただけると思います。
不動産特定共同事業のメリットに関する触れ込みは、インターネット上などにも数多く散見されますが、当然ながらリスクもあることを十分ご理解いただきたいと私たちは考えています。
そして、存在するリスクに対して、何の対策もできないまま”指を加えて”見ているわけではありません。
私たちは、起こりうるリスクに対してきちんと把握し善処しているからこそ、自社のファンドを自信を持ってお勧めできるのです。
商品となる不動産選びにしても、私たちが最も得意とする中古不動産の選定で、土地の価値が下がりにくいエリアの選定から、建物の評価がこれ以上下がりにくい物件を選定します。
少々見栄えが悪い商品が今後も出てくるかもしれませんが、投資という観点で判断した場合は、それが有利に働くことが多いのです。