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高利回り案件はなぜ危険?不動産投資型クラウドファンディングでプロが選ばない理由を解説

高利回り案件はなぜ危険?不動産投資型クラウドファンディングでプロが選ばない理由を解説

「利回り8%」「利回り10%」こうした数字を見ると、思わず「これはお得なのでは?」と感じてしまうのは自然なことです。

不動産投資型クラウドファンディングでも、高利回り案件は目を引きやすく、多くの投資家の関心を集めます。

しかし、不動産投資の現場を長く見てきた立場から言うと、「利回りが高い=優秀な案件」とは決して言えません。

むしろ、高利回りを前面に押し出している案件ほど、慎重に見るべきケースが多いのが実情です。

不動産投資型クラウドファンディングにおける“高利回り至上主義”は、投資家自身が気づかないうちにリスクを引き寄せてしまう原因にもなります。

なぜなら、その高い利回りの裏側には、必ず「理由」が存在するからです。

本記事では、不動産特定共同事業者としてのプロの視点から、

  • なぜ高利回り案件が「危険」と言われやすいのか
  • 高利回りの裏にどのようなリスク構造が隠れているのか
  • そして、なぜプロはあえて高利回り案件を選ばないのか

この3点をわかりやすく解説します。「利回りの数字」に振り回されないための判断軸を、ここで一度しっかり整理していきましょう。

そもそも「高利回り案件」とは何か?

「高利回り案件」と聞くと、単純に「たくさん儲かりそう」「効率が良さそう」というイメージを持つ人が多いでしょう。

しかし、不動産投資型クラウドファンディングにおける利回りは、数字だけを切り取って判断できるものではありません。

まずは、利回りという言葉の意味を正しく理解することが、高利回り案件を見極める第一歩になります。

不動産投資型クラウドファンディングにおける利回りの意味

不動産投資型クラウドファンディングで表示されている利回りは、ほとんどの場合「想定利回り」です。

これは、あらかじめ設定された条件がすべて想定どおりに進んだ場合に、その程度の利回りが見込まれる、という予測値にすぎません。

つまり、想定利回り=確定利回りではないという点を、必ず理解しておく必要があります。

市場環境の変化、入居状況、売却価格などによって、実際の結果は上下する可能性があります。

また、利回りは単なる「結果」ではなく、立地・築年数・運用期間・収益源・リスク配分など、さまざまな前提条件が組み合わさって算出された数字です。

数字だけを見て「高い・低い」と判断するのではなく、「なぜその利回りになっているのか」を読み解く視点が不可欠です。

市場平均と比べた“高利回り”の目安

不動産投資型クラウドファンディングの中でも、特にインカム型(賃料収入を主な原資とするタイプ)の場合、年4〜6%前後が市場の一般的な利回り水準とされています。

この水準は、立地や物件の安定性、運用の堅実さを重視した結果として、比較的無理のない範囲で設定されているケースが多いのが特徴です。

一方で、年7%を超える利回りが提示されている案件については、何らかのリスク要因を内包している可能性が高くなります。

たとえば、

  • 立地条件が弱い
  • 売却益に大きく依存している
  • 劣後比率が低い
    など、利回りを高く見せるための前提が存在することが少なくありません。

高利回りそのものが悪いわけではありませんが、「なぜこの利回りが成立するのか」を説明できない案件は要注意です。

ここを理解せずに投資してしまうと、後になって「思っていたのと違う」という結果につながりやすくなります。

高利回り案件が危険になりやすい3つの理由

不動産投資型クラウドファンディングにおいて、「高利回り=危険」と一概に言うことはできません。ただし、高利回り案件ほど“失敗の起点”になりやすい構造を持っているのも事実です。

プロが高利回り案件を慎重に見るのは、利回りの裏側にあるリスク設計を必ず確認しているからです。

① リスクを利回りで“上書き”している

高利回り案件の多くは、物件そのものが持つ弱点を、利回りで補っているケースが少なくありません。

例えば、

  • 立地が弱い(駅から遠い、需要が限定的)
  • 築年数が古く、修繕リスクが高い
  • 売却時の流動性が低い

こうした条件の物件は、本来であれば慎重に扱うべきリスクを抱えています。

しかし、それらの説明よりも先に「利回り◯%」という数字が前面に出ることで、リスクが見えにくくなってしまいます。

つまり、「リスクがあるから利回りを高く設定している」という構造そのものが、高利回り案件の正体です。

利回りはご褒美ではなく、リスクの対価であることを理解しないと、判断を誤りやすくなります。

② 売却益依存型であることが多い

高利回り案件は、安定した賃料収入(インカム)ではなく、不動産の売却益(キャピタル)に強く依存しているケースが多く見られます。

売却益前提の設計では、

  • 想定価格で売却できること
  • 市況が悪化しないこと

が前提条件になります。

しかし、不動産市況は金利・景気・需給バランスの影響を大きく受けます。

市況が少し崩れるだけで、想定していた売却価格に届かない可能性も十分にあります。

インカム型であれば、家賃収入という“毎月の積み上げ”がありますが、キャピタル依存型は一度想定が崩れると立て直しが効きにくい。

これが、高利回り案件が不安定になりやすい大きな理由です。

③ 劣後比率が低く、投資家保護が弱い

高利回り案件では、劣後出資比率が低く設定されているケースも少なくありません。

劣後出資とは、損失が出た場合に、まず事業者側が負担する部分です。

この比率が高いほど、投資家は守られます。

しかし、利回りを高く見せるために

  • 劣後出資を薄くする
  • 事業者のリスク負担を減らす

という設計が取られることがあります。

その結果、少しの価格下落でも投資家の元本に影響が出やすい状態になります。

プロが本当に注目しているのは、利回りの数字そのものではなく、「どこまで事業者がリスクを負っているか」という点です。

高利回りを見るときほど、必ず「劣後出資はいくらか?」を確認する。

これができない案件は、数字がどれだけ魅力的でも慎重になるべきです。

プロが高利回り案件をあえて選ばない理由

不動産投資型クラウドファンディングに長く関わるプロほど、「利回りが高い案件=魅力的」とは考えません。

むしろ、一定以上の高利回りを見ると、「なぜそこまで利回りを出す必要があるのか?」と立ち止まります。

それは、プロの目的が一発で当てることではなく、失敗しにくい投資を積み重ねること
だからです。

利回りより「再現性」を重視する

プロが最も重視するのは、一度うまくいくかどうかではなく、何度やっても同じ結果が出るかです。

たとえば、

  • 10回中1回は大きく儲かるが、残りは失敗する投資
  • 10回中9回は想定どおりに終わる投資

この2つがあった場合、プロが選ぶのは間違いなく後者です。

高利回り案件は、「条件がうまくハマれば大きな利益が出る」一方で、少し前提が崩れるだけで結果が大きくブレます。

長期で運用すると、この“ブレの大きさ”が資産形成を不安定にします。

プロが利回りを抑えた案件を選ぶのは、長期で見たときの結果のブレが小さいから。

再現性の高い設計こそが、資産運用では最大の価値になります。

精神的ストレスが投資判断を狂わせる

高利回り案件ほど、投資家の心理に強い影響を与えます。

  • 想定どおりに進んでいるか不安になる
  • 情報更新が少ないと気になってしまう
  • 少しの悪材料で判断が揺れる

こうした状態が続くと、本来は冷静に続けるべき投資でも、途中でやめてしまったり、極端な判断をしてしまいがちです。

特に不動産投資型クラウドファンディングは、途中で売買できない仕組みが多いため、「気になり続ける投資」は精神的コストが非常に高い。

プロは、「数字が大きいから気になる投資」ではなく、「忘れていられる投資」を好みます。結果的に、その方が投資判断を誤りにくく、長く続けられるからです。

資産運用全体での役割を考える

プロは、不動産投資型クラウドファンディングをポートフォリオの中の“守り”の資産として位置づけます。

  • 株式や暗号資産でリスクを取る
  • 不動産投資型クラウドファンディングで安定させる

この役割分担があるからこそ、全体としてバランスの取れた資産運用になります。

にもかかわらず、不動産投資型クラウドファンディングにハイリスク・ハイリターンの役割を求めてしまうと、ポートフォリオ全体が歪みます。

守りの資産に、無理に攻めの役割を担わせない。これが、プロが高利回り案件をあえて選ばない最大の理由です。

高利回りを否定しているのではありません。

ただ、「どの資産に、どんな役割を任せるか」を理解した上で、あえて選ばないという判断をしているだけなのです。

高利回り案件を見抜くためのチェックポイント

高利回り案件がすべて悪いわけではありません。しかし、中身を確認せずに飛びつくと“危険な高利回り”を引いてしまうのも事実です。

プロは、利回りの数字そのものよりも、「なぜその利回りになるのか」を徹底的に確認します。

以下のポイントを押さえるだけで、危険な案件をかなりの確率で避けられるようになります。

① 利回りの内訳を確認する

まず最初に見るべきなのは、その利回りが何から生まれているのかです。

  • 賃料収入(インカム)由来なのか
  • 物件売却益(キャピタル)前提なのか

インカム型で安定した賃料収入があり、その結果として5〜6%の利回りが出ている案件と、売却益が出た場合のみ成立する8〜10%の案件では、リスクの質がまったく違います。

また、

  • 初年度だけ条件が良い
  • 一時的なキャンペーン的数字

こうした「見せかけの高利回り」になっていないかも要注意です。

利回りは“結果”ではなく、前提条件の積み重ねです。内訳を説明できない案件は、プロならまず選びません。

② 劣後比率・安全設計を必ず見る

高利回り案件ほど、劣後比率(事業者が負担する損失の割合)を必ず確認します。

例えば、

  • 劣後10%
  • 劣後30%

この2つは、同じ不動産投資型クラウドファンディングでも、安全性がまったく別物です。

高利回りを実現するために、

  • 劣後出資を極端に薄くしている
  • 事業者のリスク負担が小さい

こうした設計になっているケースも少なくありません。

プロの視点では、「利回りが何%か」よりも「誰がどこまでリスクを負っているか」の方がはるかに重要です。

利回りが高くても、投資家が先に損を被る設計なら、それは“割に合わない高利回り”と言えます。

③ 事業者が“なぜ高利回りなのか”を説明しているか

最後に、最も重要なチェックポイントです。

その高利回りについて、事業者自身がきちんと説明しているか。

  • なぜこの利回りが可能なのか
  • どんなリスクがあるのか
  • 想定が崩れた場合どうなるのか

これらを具体的に説明している事業者は、リスクを理解した上で案件を組成しています。

一方で、

  • メリットばかり強調
  • リスク説明が抽象的
  • 「高利回り」を前面に出しすぎている

こうした場合は要注意です。説明できない高利回りは、投資家にとって危険信号です。

プロは、「利回りが高いから安心」ではなく、「説明が納得できるから検討する」という順番で判断します。

この3つのチェックポイントを押さえるだけで、高利回り案件に振り回される投資から、一段階レベルアップした判断ができるようになります。

それでも高利回り案件を選ぶなら知っておくべきこと

ここまで読んで、「それでも一部は高利回り案件も検討したい」と感じる方もいるでしょう。

それ自体が間違いではありません。問題なのは、高利回り案件を“どう扱うか”です。

プロは、高利回り案件をメインの投資先としては扱いません。あくまでルールの中で、限定的に使います。

ポートフォリオの一部に限定する

高利回り案件を選ぶなら全額投資・集中投資は絶対にNGです。

理由はシンプルで、

  • 想定が外れたときのダメージが大きい
  • 精神的なブレが起きやすい

からです。

プロの考え方では、高利回り案件は「ポートフォリオの一部」に限定します。

  • 全体の10〜20%まで
  • あくまでハイリスク枠
  • 失敗しても生活や長期計画に影響しない範囲

この位置づけができない場合は、そもそも高利回り案件に手を出すべきではありません。

高利回りは「ご褒美」ではなく、リスクを承知の上で使う“スパイス”です。

インカム型と混同しない

もう一つ重要なのが、高利回り案件とインカム型を混同しないことです。

不動産投資型クラウドファンディングの本来の強みは、

  • 賃料収入をベースにした安定性
  • 値動きの少なさ
  • 長期で積み上げやすい設計

にあります。

一方、高利回り案件の多くは、

  • 売却益依存
  • 市況前提
  • タイミング勝負

という、性質がまったく異なる投資です。

これを「不動産だから安定しているはず」と同じ感覚で扱うと、判断を誤ります。

高利回り案件を選ぶなら、

  • これは“守り”なのか
  • それとも“攻め”なのか

目的を明確にしたうえで選ぶようにしましょう。

不動産投資型クラウドファンディングの中でも、高利回り案件は例外的な存在。そのことを理解して使える人だけが、高利回りと上手に付き合えます。

利回りが高い=正解ではない

不動産投資型クラウドファンディングにおいて、利回りが高いこと自体は「悪」ではありません。しかし、それが万人にとっての正解ではないことは、強く意識すべきです。

高利回り案件には、

  • 立地や物件条件の弱さ
  • 売却益への依存
  • 投資家保護が薄い設計

といった「理由」が必ず存在します。

数字だけを見て判断すると、その裏にあるリスクを見落としてしまいます。

プロが案件を選ぶ際の優先順位は明確です。

利回り < 安全設計 < 再現性

一度うまくいくかどうかではなく、「何度やっても大きく崩れにくいか」この視点で判断します。

不動産投資型クラウドファンディングは、一発で大きく増やすための投資ではありません。

むしろ、資産を崩さず、時間を味方につけて積み上げる投資です。

だからこそ、最初から高利回りを追いかける必要はありません。

まずは

  • 利回りの“高さ”よりも
  • 設計の“堅さ”を重視する

あえて高利回りを避ける視点を持つことが、不動産投資型クラウドファンディングで失敗しないための、最も確実な第一歩です。

この視点を持てた時点で、あなたはすでに「損をしにくい投資家」の側に立っていることになるのです。

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