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「不動産クラウドファンディング」メリット・デメリット、おすすめの理由を解説

「不動産クラウドファンディング」メリット・デメリット、おすすめの理由を解説

不動産クラウドファンディングは現在、少額から投資ができることや、深い知識や運用の手間がかからない手軽さを理由として注目を集めています。「抽選倍率が高すぎて当選しない」という口コミがSNSで出回り、「募集開始3分で完売」といった投資系メディアの特集を日常的に見るようになってきました。一般の投資系ブロガーもこぞって関連記事や投資体験談を書き、テレビCMや雑誌のようなマスメディアにも露出も目立ってきています。不動産クラウドファンディングが一般大衆にも認知され、敷居の低い投資手法として市民権を得る時が近いと予想されます。

 

不動産投資の新たなトレンド、不動産クラウドファンディング

 

 

恐らく「投資といえば何?」の質問に対して、2番目か3番目に入ってくるであろう答えが『不動産投資』です。

 

これまでも、不動産投資は”富の象徴”のように扱われており、多くの資産家が始める投資手法として人気の投資手法でした。不動産投資による家賃収入は、安定した不労所得となり得るため、投資家が目指す最終的な目標だと言えます。

 

不動産投資ブームの到来

 

ベストセラーの不動産投資家のロバート・キヨサキ氏の著書『金持ち父さん・貧乏父さん』の中にも書かれている、不動産投資によって『お金を働かせてお金を増やす』マインドは多くの人に称賛されました。

 

また、サラリーマンが手軽にできる副業としてのワンルームマンション投資も盛んに行われてきました。資産価値のあるものとしての不動産が注目され、さらに家賃収入としての安定した収入が見込まれるということで、不動産投資は大きなブームを引き起こしてきたのです。

 

クラウドファンディングの登場と普及

 

インターネットの普及によって、金融機関を介さない直接金融の中でも不特定多数の小口投資家から資金を集め、目標金額を目指すという『第3の金融』がクラウドファンディングです。

 

不動産クラウドファンディングは、投資型のクラウドファンディングのカテゴリーの分類され、これまで不動産投資を始めたいけど、様々なリスク面を考慮して躊躇したり、断念していた投資家を囲い込むことに成功します。電子取引が広く一般的に普及し始めたことと、東日本大震災以降にクラウドファンディングそのものの認知度も高まったことにより、新たな投資先(寄付先)としてクラウドファンディングは一気に注目を集めました。

 

少額から始められて、運用期間も比較的短い不動産クラウドファンディングは、投資に対してあまり積極的ではない日本人の国民性にもマッチし、市場が急成長するに至りました。

 

オンライン完結の資産運用が普遍的なものに

 

デジタルネイティブ世代も既に成人を迎え、彼らにとってはインターネットを通じた資産運用が当たり前のものとして受け入れられています。これから先、何が起こるかわからないという時代背景の中で、多くの人が手軽で、流動的な商品を求めるようになってきたのかもしれません。長期投資、ハイリスク・ハイリターン投資には消極的だが、堅実に資産形成をしたいという層のニーズに応える不動産クラウドファンディングは、新たな不動産投資の形として益々大衆に受け入れられていくでしょう。

 

不動産クラウドファンディングのメリット

 

 

投資家にとってのメリット①:少額の自己資金で不動産投資が始められる

 

不動産投資を少額の自己資金で始められることは、不動産クラウドファンディングの大きなメリットの一つです。私たちはこのことを過去の記事でも繰り返しお伝えしてきました。例えば『手元の100万円を投資するなら不動産クラウドファンディングがおすすめ』の中では、手元に100万円があったら、不動産クラウドファンディングの中からファンドを選び投資を始めることの重要性が書かれています。

 

他にも『【初心者向け】不動産クラウドファンディングで不労所得をどう生み出す?』の中では、少額でも構わないから、まずは自己資金で投資を始めてみることの重要性が書かれています。投資全般に興味がある人や不動産投資に興味がある人に最も怖れていることは出資した元金が無くなってしまうということや、高額の借入をして借金が返済できなくなるリスクだと思います。少額で分散投資をして、固く資産形成を狙う投資家に、不動産クラウドファンディングはおすすめと言えるでしょう。

 

投資家にとってのメリット②:少ないリスクで安定した収入を確保できる

 

不動産クラウドファンディングは、ローリスク・ミドルリターンの投資であると言われています。商品の利回りが年利換算で5%~8%くらいの商品をミドルリターンかローリターンかというのは捉え方に個人差はありますが、配当株で利回りがいい銘柄がそれくらいになります。

 

こう例えると大体のイメージは沸いてくるかもしれません。株の場合は、相場の値動きがありますので高い利回りで配当を受け取ることができても、含み損が出る可能性は十分に考えられます。ですが、不動産クラウドファンディングの場合は安定性の高い運用が可能です。その理由はいくつかりますが、相場が安定しているためです。株やJ-REITと異なり、市場販売されているものではありません。住宅には、日々の需要供給の大きな変化が発生しませんので、相場の変動がないのです。

 

また、不動産は原則原理的にインフレに強い資産です。他の金融商品は物価の上昇に対して相対的に価値が下がりますが、不動産の場合は物価の上昇と比例して不動産の価格も上昇します。ですから、普段から相場が安定しているのに加えて、現在の日本の政策から見ても、価格の下落は起こりにくいでしょう。

 

さらに、多くの事業者は劣後出資とマスターリースをファンドに取り入れています。劣後出資とは、匿名組合契約における事業者(サービス提供者)側の出資のことを言います。これは、仮に不動産の評価が下落したり家賃収入が途絶えてしまい、収支バランスが崩れた場合に、評価損分を事業者から負担する制度のことです。

 

出資割合は5%の事業者もいれば、20%の事業者もありますが、平均すると10%~20%の間で劣後出資を入れている事業者が多いのが実情です。それに対して、マスターリースとは事業者と入居者の間に、別の会社(家賃保証会社)などを挟み、運用期間中の家賃保証をする制度のことです。これによって、ファンド運用期間中に退去者が出た場合でもファンド事業者には賃料が入り続ける仕組みになっています。マスターリース契約を間に挟むことにより、理論上、家賃収入が途絶えることがなくなるのです。優先劣後方式についてはこちらで解説させていただいております。

 

さらに過去の記事『不動産を買わない不動産投資で資産運用のリスクを最小限に抑える』では、不動産投資は経営だと書かれており、賃貸経営に纏わる様々なリスクをご紹介しています。不動産投資には、リスクを伴う事業性の高さがありますが、不動産特定共同事業に関して、その”事業”の部分をサービス提供事業者が行なってくれますので、投資家は安心してお金を預けることができるのです。

 

このように、不動産クラウドファンディングは投資に纏わる様々なリスクを事業者が提供する施策によって回避されています。これにより私たち投資家は安心して、事業者に資金を預けることができるのです。

 

事業者のメリット①:物件の購入資金を効率よく集められる

 

不動産クラウドファンディングのメリットは投資家に限った話ではありません。投資家にとってのメリットばかりでは、情報の信用度が低いかと思われますので、事業者にとってのメリットをお伝えします。

 

事業者のメリットは『不動産の購入資金を効率よく集めることができる』ことです。これが最大のメリットです。通常、収益不動産を購入する際には金融機関から融資を受けます。また、金額によっては自己資金で事足りる場合もありますが、それでも金銭的な負担は小さくありません。

 

融資を受ける場合は、様々な書類や手続きを必要とするため、申し込みから審査完了まで1か月程度、場合によってはそれ以上時間がかかることもあり、効率的ではありません。しかし、不動産クラウドファンディングでは、即座に不動産の購入資金を集めることが可能であり、ビジネスのスピードが加速します。

 

事業者のメリット②:ローンが通らない物件を現金購入できる

 

また、利回りの高い築古物件や特殊な不動産については、金融機関の融資審査が下りません。そのような不動産を生かさず殺さずの状態にしておくことは、ビジネス上非常に勿体ないことですし、廃墟化が進んでしまって街づくりとしても良くありません。

 

このような不動産の購入資金を準備するための財務戦略として、不動産クラウドファンディングは非常に有効なのです。投資家に対するリターン(配当)は当然必要になりますが、これを金利や手数料(サービス料)と捉えることができれば非常に効率的な事業運営につながります。ご存知の通り、現在の日本は超低金利時代です。したがって、金利だけで考えれば銀行からお金を借りて、自分達で運用をしてしまった方が、結果的には利益は多く残ります。

 

不動産クラウドファンディングは、投資家が増えるほど不動産投資が盛り上がり、住宅の流通も活性化して街が元気になっていくスキームです。

 

不動産クラウドファンディングのデメリット

 

 

では、不動産クラウドファンディングにはメリットだけしかないのかと問われれば、そうではありません。デメリットも存在します。注目が集まっている最中なだけあってデメリットを解説する記事は少数なのですが、『本当は書きたくない | 不動産クラウドファンディングのデメリットを敢えて書きます』では5つほどデメリットを書き出していますが、気軽すぎる投資もいかがなものかと書かせていただきました。

 

私たちは、不動産クラウドファンディングのデメリットについてもしっかりと説明していきたいと考えています。まあ、メリットとデメリットは表裏一体ですので、メリットの数だけデメリットもあると思っていただいて間違いはないでしょう。

 

投資家のデメリット①:大きなリターンは期待できない

 

まず最初に申し上げておきます。不動産クラウドファンディングに投資をした場合、期待値を大きく上回るリターンは期待できません。これは、株式投資や投資信託と大きく異なる点です。ある程度ゴールが見えています。『テンバガー』という言葉をご存知でしょうか。株式投資の世界でよく耳にしますが、これは株価が10倍になった銘柄のことを指します。国内の銘柄でも海外の銘柄でも、このドリームチケットを掴むことで資産を大幅に増やすことに成功することが可能なのです。ですが、これは一攫千金の世界、雲を掴むような話です。

 

不動産クラウドファンディングでは、事前に利回りが確定しています。運用期間中に配当というインカムゲインを得てコツコツと資産を増やすような投資モデルになります。ですから、元金が1年間で3倍、5倍、10倍になるような大きなリターンは期待できません。100%あり得ません。コツコツとお金を積み立てて資産運用をしていくことが”性に合わない”という人と不動産クラウドファンディングは相性が悪いでしょう。

 

不動産投資と不動産クラウドファンディングはしばしば比較されますが、不動産投資では、金融機関の借入を行うため、自己資金に対して、数倍から十倍近くのレバレッジをかけられます。そのため、少額の元手であっても大きな利益を生み出せる可能性があるのです。一方、不動産クラウドファンディングの場合は、投資元金は全て自己資金です。ですので、出資金額に対する利回りしか適用されず、レバレッジをかける運用は一切ありません。

 

投資家のデメリット②:人気すぎて出資枠の抽選に当たらない

 

この点について、今後どうなるか未知数ですが、今現在はやや需給バランスが悪いと個人的には思っています。新規事業者の参入が増えている業界ではあるものの、専門性が求められる業界であるがゆえに、サービスローンチまたはサービスを継続出来ている事業者はまだまだ少ないです。そうなると、これだけ話題性があるサービスで世間の関心も高いテーマですから、特定の不動産クラウドファンディング事業者に投資家が集中するのは仕方ありません。実際に、ファンドに申し込みたくても募集枠の関係で出資できない投資家が多くいらっしゃいます。この点については業界全体の課題であると同時に、サービス水準(募集ファンドの規模やファンド組成の頻度)を高めていく必要があるのかもしれません。

 

事業者のデメリット:投資資金が集まらないリスク

 

事業者のデメリットでは、ファンド組成を間違えると”集客”に苦労する可能性があるということです。先ほど、不動産クラウドファンディングで集めた資金は不動産の購入資金に使われるとお伝えしました。

 

万が一、募集金額に出資者の出資金が届かず達成しなかった場合は、自分達で優先出資枠に一時的に出資したりして、運用しながら譲渡者の募集をしなければなりません。さらに、事業者は自己資金で不動産を購入しなければならず、事業者にとって募集の未達成は金銭的にも大きな負担になってしまいます。募集金額に出資金額が達しなかったからと言って、運用開始を中止するようなことがあれば、投資家の信頼を失ってしまい、サービスから離れてしまうでしょう。事業者側もこのように、様々な意味で大きなリスクを抱えているわけです。

 

投資初心者に不動産クラウドファンディングは非常におすすめ

 

 

投資未経験者や投資初心者が不動産クラウドファンディングに投資するべき理由は、以下の通りだと考えています。1つ目は『最低出資額が低く、少額でも投資をしながら経験値を積むことができる』ことです。投資というのは、はじめの一歩がなかなか踏み出せず、自分のお金を差し出すことに対して抵抗感を持ち投資に躊躇してしまいます。一度、何か投資商品に出資してしまえば、それ以降は一気に心理的ハードルは下がります。ただし、初回の投資で元本割れなどの損をしてしまうと、頭では分かっているものの、受け入れられなくなります。

 

初回の投資で損をしたら恐らく、次の投資は控えることでしょう。投資は損か得かの二択です。絶対得をするということはないので、きちんと理解して、準備して挑むようにしましょう。そういった意味でも、利益が出る可能性が極めて高い不動産クラウドファンディングは、初めての投資家にとっても受け入れやすい投資商品になりますね。

 

2つ目は『配当による安定収入の柱がたくさん作ることができる』です。不動産クラウドファンファンディングはファンドごとの出資金額を小さくして、たくさんのファンドに出資することで、それ自体がリスク分散につながります。事業者、利回り、運用期間などが異なるファンドに対して、少額ずつ色々と投資をしてみることは非常に安定感と強度が増し、良質なアセットミックスを作ることができます。

 

3つ目は『専門知識が不要』ということです。不動産投資を始める場合は、たくさんの本を読んだり、セミナーに通ったり、不動産投資家人脈を作り、アドバイスを聞いたりする必要があります。それから、質の高い不動産会社、仲介会社と取引をするのが望ましいです。株式投資も同じです。経済、経営、業界などのことに関して学習し、成長性の高く安定性のある企業を探し投資します。これもまた、学習と訓練が必要になります。

 

一方で、不動産クラウドファンディングでは、投資や運用に関することは全て事業者が行なってくれます。少々乱暴な言い方ですが、私たち投資家は『お金を出すだけ』で構わないのです。あとは、全て事業者が上手くやってくれます。”ほったらかし”で問題ないのが、不動産クラウドファンディングに投資するべき理由です。

 

参考:『一般投資家が資産運用でお金を増やすために最適な商品はコレだ!

 

まとめ:不動産クラウドファンディングのメリットとデメリット

 

ここまで不動産クラウドファンディングのメリットとデメリットをご紹介してきました。

 

投資家にとってのメリットは、少額の自己資金で不動産投資を始められ、安定した投資がでいるということです。一方で、大きなリターンは期待できない点や思うように出資ができないという点はデメリットに感じる人もいて、面白みを感じないという投資家もいることでしょう。不動産クラウドファンディングのメリットについては、話題に上がっていることもあり、どこでも目にすることができますが、デメリットに関してはどうでしょうか。

 

不動産クラウドファンディングへの投資を本気で考えている人は、ぜひデメリットをしっかり理解して、そこから色々な判断をされてみて下さい。短期投資が多い不動産クラウドファンディングですが、変化が激しく流れも早い先行き不透明な時代だからこそ、『短期』という流動性が大切になってきます。

 

トモタクに関しても時代のニーズにマッチした投資商品として投資家の皆様にお届けしていきます。

 

今後も、不動産クラウドファンディングのトモタクにご期待下さい。

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