不動産クラウドファンディングを基本に、投資についてのお話
お金と資産形成について、休憩時間や通勤時間の暇つぶしになってタメになるコラム
不動産小口化投資のトモタク、トピックス更新を担当している桜井です。
前回の記事では不動産投資の仕組みを、『不動産投資の仕組みが分からないトモタクが分かりやすく解説します』で説明させていただきました。
前回の記事をお読みいただいて、不動産投資の基本的な部分をご理解いただけたかと思います。
まだ記事を読んでいない方は、先に「不動産投資の仕組みが分からないトモタクが分かりやすく解説します」をご確認下さい。
今回は、不動産投資と不動産クラウドファンディングの違いについて、それぞれの特徴を比較しながら解説します。
まず、最初に知っていただきたい点は、不動産クラウドファンディングも不動産投資の中の一つだということです。
不動産クラウドファンディングと不動産投資は全くの別物だと考えている方もいるかもしれませんが、原理原則は同じと捉えていただいて問題ありません。不動産クラウドファンディングは事業者を介するため、全く同一条件で運用するなら不動産投資の方が、当然、高い利回りを得ることができます。
不動産投資と不動産クラウドファンディングの違いを以下の点で比較してみます。
それぞれの投資を始めるにあたり必要なのが資金です。
不動産投資の場合は、投資用不動産を購入するための資金が必要になります。これらの資金は、自己資金か金融機関からの融資によって準備する必要があります。
不動産投資は、実際に不動産を所有します。少なく見積もっても数百万円~の資金を準備しなければなりません。
一方、不動産クラウドファンディングでは一般的に不動産を所有しません。投資用不動産を小口化して匿名組合契約によって投資家に出資していただきます。
従って、投資家は少額の自己資金で投資を始めることができるというメリットがあります。
具体的には、一口1万円から始められるファンドも多くあります。投資未経験者や不動産投資初心者にとっても気兼ねなく投資を始められますが、少額投資が基本ですのであなたが受け取る配当金額は少なくなります。
大枠のイメージとして、不動産投資は高額の資金が必要になる。不動産クラウドファンディングは少額から投資が始められる。というような認識を持っていただければ、それで構いません。
不動産投資と不動産クラウドファンディングでは投資家の金銭面以外の負担が大きく変わってきます。
不動産投資では、物件の所有者は投資家本人になりますので、投資先不動産の管理を自身で行わなければなりません。具体的には、入居者募集、建物の修繕、共用部の清掃、備品の管理・交換、近隣トラブルの対応などを行う必要があります。
これらの業務の一部または全部を賃貸管理会社に委託することができますが、最終的な責任は投資家自身が負うことになります。
従って、不動産投資は管理面などにおいて多くの労力を必要とします。
一方、不動産クラウドファンディングでは不動産投資に関する管理は一切ありません。投資家は一度お金をサービス事業者に預けてしまえば、あとは何もすることはありません。
私たちはよく『ほったらかし投資』という言葉を使っていますが、あなたがいったんお金を預けてしまえば、運用期間中にしなければならないことはありません。
利回りについては、投資先によって大きく変わってきます。
一般的な解釈になりますが、都心部の物件であれば、利回りは下がり、郊外の物件であれば利回りが高くなる傾向があります。当然ですが、都心部の不動産は入居率が高くなる傾向がありますので、投資家目線で見れば、安定的な投資先だということが言えます。
一方で、郊外の物件に関しては価格が安く、高い利回りが期待できます。利回りが10%を超えるような商品も多くみることができます。不動産投資で利回りだけを求めるのであれば地方のアパートなどを探すことをお勧めします。
ただし、一度空室が発生したら入居者はなかなか決まりません。そうした空室状態が継続するリスクも伴いますので、表面的な利回りだけを見るのではなく、近隣環境や人口、人口動態などもチェックすることをお勧めします。
不動産クラウドファンディングの利回りは、事業者の管理手数料も含まれる分、低くなると考えられがちですが、そこは不動産のプロが事業者です。投資先の不動産の仕入ノウハウがありますので、一般投資家よりも安く投資用不動産を仕入れることができます。それらを組成することで、通常なかなか出すことができない利回りをはじき出すことができます。
また、不動産クラウドファンディングの利回りは、不動産投資の最終的な利回りと比較した方がようさそうです。
ここでお伝えしている最終的な利回りとは、様々な経費や費用を差し引いて算出したものをいいます。不動産クラウドファンディングは、様々な費用は事業者側で負担しますので、投資家が負担することはありません。
従って、不動産クラウドファンディングの利回りは、実際にあなたがこの不動産に投資してみて、最終的にどれくらいの利回りを出せるかをイメージしながら、比較してみるといいのではないかなと思います。
不動産投資の実質利回りと不動産クラウドファンディングの利回りを比較して検討するのがいいと思います。
続いてそれぞれのリスクについて比較していきましょう。
不動産投資には様々なリスクがあります。あなたが考える不動産投資のリスクとはなんでしょうか。
不動産投資には様々なリスクがあります。
考えられるものとして、一番大きなものは空室に関するリスクです。
空室が発生すると投資家に入ってくる家賃収入が減ってしまいます。大抵の不動産投資家は、金融機関の融資によって投資用不動産を購入します。空室により家賃収入が減ってしまうと、融資の返済原資が減ってしまい、最悪の場合、自分自身の預貯金を切り崩しながら返済を進めていかなければなりません。
投資にリスクはつきものですが、これでは何のために投資をしているのか分かりませんね。
不動産クラウドファンディングでは、ファンド組成の際にマスターリースによる賃料保証を採用していることが多いです。それによって、仮に退去者が出たとしても家賃収入が途絶えることがないため、そのリスクはありません。
台風や集中豪雨などによって、建物が半損または全損するようなことは十分考えられます。
不動産投資の場合、災害の被害を受けた時には、建物の修繕をしなければなりません。保険で賄える場合もありますが、投資家に対して負担が生まれます。
不動産クラウドファンディングでは、そのような天災に対しての対応は全て事業者が行います。不動産の評価額が著しく下がるような場合は、元本評価にも影響を及ぼす可能性がありますが、投資家は特段何かをする必要はありません。
不動産投資では、近隣トラブル系のリスクがついて回ります。このリスクについては、なかなか予測できないものですが、予測できないトラブルが起こるのが不動産投資です。言い換えれば、常にリスクと隣り合わせにあるということを知っていただければと思います。
不動産クラウドファンディングでは、そのようなリスクとは無縁です。不動産を所有しているわけではありませんので、不測の事態が起こったとしても、事業者側で対処することになります。
不動産投資と不動産クラウドファンディングでは、投資を始めるにあたって求められる知識が大きく異なります。
不動産投資の場合は、様々な知識が必要になります。経営に関する知識、不動産に関する知識、税金に関する知識、建築に関する知識、市場に関する知識など多岐に渡ります。
不動産投資ではあなたが学んだ知識の質と量が、成果に比例すると言っても過言ではありません。
一方、不動産クラウドファンディングでは、不動産に関する知識は投資の成果に大きく作用しません。不動産の選択、運用、管理、事業の運営については、全て事業者が行います。
事業者は、独自のノウハウを駆使して投資家に利益をきちんと還元することが求められます。大袈裟ではなく、投資家を儲けさせないと、投資家は離れてしまいます。特別な知識を必要とせず、誰でも公平に利益を出せるようなファンド作りが必要になるのです。
不動産投資と不動産クラウドファンディングの特徴とその違いについてご紹介してきました。
これまでの説明をする限り、不動産投資よりも不動産クラウドファンディングに投資する方がいいのではないかと思った方が大半だと思います。
この記事を読んでなお、不動産投資の方が魅力があると思われた方は、相当不動産投資に詳しい方だと思いますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
不動産投資は一種の経営(賃貸経営業)ですので、大きく育てることが可能です。事業で成功を収めたいのであれば、不動産投資を選ぶべきでしょう。
しかし、会社員や公務員として安定した収入を得ながら、収入の柱がもう一つ欲しいという方であれば、不動産クラウドファンディングに出資することをおススメします。
複雑な不動産投資にまつわる様々な知識を必要とすることもありませんし、誰もが公平に利益を出すことができます。ぜひ、おすすめです。
あなたの属性や目指すべき方向性によって、事情は異なりますので、あなた自身がどちらのタイプなのかを自己分析したうえで、投資先を決定するのがいいのではないでしょうか。